企業理念はズバリ
“作り手も熱くなれるテーマ”だ。
映像・画像解析の技術プラス誰にも負けない熱い思い
株式会社 ディテクト
運動解析・流体解析などの解析ソフトウェアから、高速度カメラ・アナログ波形入力システム・画像入力ボードなどのハードウェアに到る画像処理、画像解析などに対応するシステムを提供する株式会社ディテクト。企業理念はズバリ“作り手も熱くなれるテーマ”だ。
第一のお得意先は大学の研究室
内田 幸男次長
株式会社ディテクトの業務内容を見ると、「画像処理関連商品の開発・販売/ビデオカメラ、VTRなどの映像関連商品の販売」と書かれている。一見すると「画像処理にちょっとうるさいエレクトロニクスの技術会社」というイメージを抱く。
「よく言われるのですが、実は営業先としては、大学の工学部系理工系、心理学、体育系、医療系研究分野。研究者にとって画像計測や画像解析は非常に重要なんです」と話すのは、株式会社ディテクトの内田幸男次長。
同社は画像計測全般ができる会社。つまりソフトにもハードにも対応できる技術を持ち、かなり高度な映像関係、画像処理、画像解析などを行っている。「クルマでいうと、テストコースでの研究開発を行っているイメージです」(内田次長)。
たとえばリハビリテーションの現場などで先生方はどういうことを求められているか、心理学の現場では、子どもたちに音楽を聴かせて、彼らがどのように感じているかなどの解析、再生医療の現場、新薬開発の現場、さらにロケットやロボットなどの最先端技術の現場に、ディテクトの映像・画像解析や処理といった技術が求められている。
とすると、中途で入社する方は前職で映像の仕事をしていることが望まれるのだろうか。
「実は私は、輸入関係の商社に12年あまりいたんです。その当時からディテクトという会社のことは知っていました。画像解析といった技術や映像が数値化されることが今後きっと大事なものになると予感があって、ディテクトの浮谷社長に直談判して入社したんです」(内田次長)。
しかし、内田次長は意気込んで入社したものの、考えが甘かったことにすぐに気づかされた。画像処理や解析は、医療・機械テスト・自動車・宇宙工学分野など実に幅広い。
内田次長がこれまで関わっていたのは、映像は映像でもハイスピードカメラの販売などだったため、ディテクト社商品の可能性の深さに驚いたそうだ。
会社設立から3年間1人の仕事だった
浮谷 卓匡社長
画像解析用ソフトとして、高精度2D/3D運動解析ソフト、ゴルフスイングアナライザー、静止画像解析ソフト、自動画像解析ソフトといったラインナップが株式会社ディテクトのメイン製品。こうした高精密度なシステムが、医療・機械・宇宙工学・気象・土木・建設から、スポーツ関係などの分野の新しい開発をしっかりとサポートしている。
また、撮影された映像とコンピュータが作り出したバーチャル世界との整合・融合によって、不正確であったり不明確、不明瞭であったものが正確に計測されるようになり、私たちの暮らしを取り巻くさまざまなものに役立っている。株式会社ディテクトはそうした映像や画像による技術を提供することで、社会に貢献している。まさに縁の下の力持ち的存在の企業なのだ。
そんな株式会社ディテクト・代表取締役社長の浮谷卓匡さんは、創業前は情報機器会社に勤務していたが会社が解散、1人で会社を創立させた。それは1991年のことで、まだ世の中はインターネットも普及していない時代だった。
その後3年間、仕事を1人で行った。専門性のある内容の仕事ではなく、中間的なもの、“最大公約数”的なものを作って行きたいという思いがあった。というのも、浮谷社長は営業出身、ある分野に特化すると、それだけ売れる数は少ない。だから、より多くの人が求める=たくさん売れるものを目指したのだ。その後、ハードウェアの会社と合併、ハードとソフトがそれぞれ機能する会社、複合的な会社になっていった。
「自分が面白いな、と思ったことをやってきたという感覚があります。これは今でも変わりません。好きなもの、興味のあるものを開発し、販売してきました」(浮谷社長)。また、「大企業=安定という時代は過ぎ去った。だったら自分が好きだと思う仕事をする方がいい。精神的にもいい」とも話してくれた。
何よりも必要なもの……それは知的好奇心!
株式会社ディテクトには、開発部門と営業部門がある。一般的に開発と営業は、求めることの違いから対立してしまうことが決して少なくない。しかしディテクトでは、「営業と開発が対立することはまったくない」(内田次長)。
社長自身が営業出身なので、開発担当者とのコミュニケーションも決して対立するという構図にはならず、あくまで現場、お得意先の要望に協力して応えていくということに徹される。そのため、稟議書を通して開発するといった堅苦しさがない。
つまり、風通しのいい会社、レスポンスのいい会社なのだ。これは開発するスタッフにとっても嬉しいことだろう。
現在営業は6名、開発には16名のスタッフがいて、静かなオフィスで画像関係の仕事に励んでいる。
内田次長はこう言う。「営業する対象が幅広いので、私たちの業界に必要なものは好奇心。その世界の専門的な研究や開発といったものに興味を抱かないと仕事にならないという面がありますね。日々、勉強です」。
好奇心旺盛で、研究開発されている内容が面白い! と思える人でなければ、ディテクトではやっていけないだろう。
内田次長は「特に医療関係などに関わっていますと、再生医療の分野などでは〈本当にこんなことができるんだろうか?〉と思うことがしばしばあります。だけど、それができる。うちの会社の画像処理・解析技術が役立っている。嬉しいし、やりがいになりますね」と話してくれた。
近年の不景気で、なかなか厳しい状況にもあるが、その分、うまくいったときのやりがいも大きいはずだ。
先輩インタビュー
営業次長 内田 幸男さん
後輩へのメッセージ
内田「営業という職種は、人と人を結びつける仕事だと思うんですね。お得意先やお客さんから『これはできる?』『こういうことはできる?』と言われる前に、〈こうすればどうでしょう?〉〈こういうやり方がありますが、いかがでしょう?〉と提案するくらいの積極さがほしい。もちろんそれはすぐにできることではないかもしれません。でも、自分の引き出しにさまざまな知識を備蓄しておく。それで、お得意先に積極的に提案していく。ユーザーの大半は画像計測や解析のプロではないので、どうしていいか分からないということがある。なのでこちらから提案していくことが大事なんですね。提案して、ぴったりと当てはまればお客様との間に信頼関係が生まれる。その結果、社会に役立つ技術や新しいものが世の中に出て行くことになる。充実感がありますよ」