午前8時30分、今回のツアーに参加する学生たちが立川駅に集合した。今回は都内の大学に通う学生12名が仕事体験ツアーに参加。マイクロバスに乗り込み、今回の訪問先である塩野製作所へと向かう。
バスの中ではツアーの趣旨やスケジュールなどの説明が行われた。バスで移動すること45分。目的地である塩野製作所に到着。
塩野製作所は金属加工・切削が専門の企業である。精密加工を得意とし、製品は航空宇宙関連の部品や半導体、精密機器など幅広い分野で使用されている。
到着後、社内の会議室に集まった一行の前に、社長である塩野博万さんが現れた。挨拶の後、プロジェクターを使い、会社の沿革から製品の特徴や自社の強みなどをとても分かりやすく丁寧に教えてくれた。今まで授業で聞いた講義とは全く違った説明に学生たちも真剣に話に聞き入り、ようやく塩野製作所がどういう会社であるか理解したように見える。
約20分後、午前10時、塩野社長からひと通りの説明が終わり、いよいよ社内見学。実際のものづくりの現場を見ることが出来る貴重な機会とあって、学生たちの期待感も高まる。
一行は二手に分かれてまず工場内を見学。社長自らを案内していただいた。工場内は機械油の匂いが漂う、まさに作業現場という感じであるが、整理整頓が行き届いていて危険な印象は感じられない。大型の装置が数多く並ぶ光景は圧巻で、圧倒された学生たちは無言で見入っていた。塩野社長の丁寧な説明をうけながら一つ一つ作業場をまわり、製造中の製品がどういうところで使われているかを聞くと「凄い!」と声を上げる学生も。
工場内を見学すると、徒歩数分の場所にある第二工場に移動。こちらでは手作業による加工が多く見られた。まさしく職人の技術といえる作業を間近で見ると誰もがその凄さに驚く。
午前11時、工場の見学を終えた後、休憩を挟んで社内の会議室で社員の方たちとの座談会。
二つのテーブルに社員お二人ずつ座っていただき、お話を伺う。学生たちと比較的年齢が近い社員の方々であったため、「どんな学生時代を過ごしてきましたか?」といった質問から「入社のきっかけは?」、「社内の雰囲気は?」、「仕事のやりがいは?」などなど、積極的な質問が学生たちから飛び交う。そういった質問に、時に面白おかしく答え、時に仕事に対する熱意を真剣に語る社員の方々。約一時間、学生たちは目を輝かせて貴重なお話を伺っていた。
ちょうど正午になった頃、社員の皆さんに御礼を述べた一行は塩野製作所を後にし、市民ホールの会議室へとバスで移動。ここで昼休みを取って皆で昼ごはん。
午後1時50分、昼食休憩後は二つのグループに分かれて午前中の会社訪問のふりかえりワークショップを行う。まずは学生たちが今回の会社訪問で感じたこと、気づいたことを各自付箋に書いていく。そしてグループごとに出た意見を集めて分類し、それを皆で見返してみる。数人の意見が集まり、分類されることで改めて気づく事や見えてくるものたくさんある。グループディスカッションと聞いて初めは面倒臭そうに見えた学生の表情も活き活きと変化していくのが感じられた。
さらに「塩野製作所の採用担当になったらどうやって学生にPRするか?」というお題でグループ同士でプレゼンテーション対決。真剣に考える学生たちからは面白い意見や斬新な意見などがたくさん聞こえてきた。
午後3時30分、最後に、参加した学生一人ひとりに、参加認定証を授与。全員で記念写真を撮影して今回の『仕事体験ツアー』は終了となった。学生たちからは「仕事に対する意識が変わった」「日本の中小企業って凄い」といった意見が寄せられ、ツアー参加の満足度が伺えた。また、塩野製作所の社員の方がたからも学生と意見交換する貴重な機会を得られて良かったというお話が伺えた。『仕事体験ツアー』に参加した若者たちが近い将来、ものづくり産業で活躍している姿が期待される。