東京都産業労働局|成功企業電子ブック
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11取締役CTO 宋学良氏。日本の電子工学技術に憧れて東京大学に留学。先進的な技術に携わっていく中で、小さな会社でも高い技術を持っていることに感心したという。単に「研究・開発が好き」だけではいけない。「自分たちの技術で新市場を創出する」という会社の使命が全員のモチベーションだ。成功のポイント使命のもと一致団結技術者だけでは見失いがちなビジネス的観点をマネジメント経験者がきちんとサポートする体制を整備。技術者が安心して研究・開発に打ち込める。経営のプロに任せる半導体生産装置の開発のため高額な設備を導入。小さなベンチャー企業にとって大きな負担だったが、目的達成のために一大決断。ここぞというときの決断上司と部下が自由に議論したり、若者に大役を任せたり。年代も国籍もさまざまな人たちがいて、お互いに影響し合える。オープンでダイバーシティな環境電気と光のデータ伝送の違いを駅の改札に例えてみましょう。電気信号を電気配線で伝送する場合、有人改札(チャンネル)がたった一つだけの駅に乗客(データ)が順番待ちしている状態です。光信号を光配線で伝送すれば、自動改札(チャンネル)がいくつもある駅で乗客(データ)がスイスイと通過していきます。電気信号を通す電気配線の処理速度が遅く、ここでデータが渋滞を起こしてしまいます。ならば電気配線を増やしてみれば? でも電気配線間は電磁波クロストーク※が発生したり、発熱量や消費電力が増えたりしてしまうので、あまり増やせません。光インターコネクションを用いて光信号を光配線で通すと、処理速度が速くてデータは次から次へと伝送されます。また、光配線は電磁波クロストークがないので、配線を高密度で設置できます。なるほど、これならデータ伝送が速くできますね!光インターコネクションはなぜ速くできるのか?〈光配線によるデータの伝送の場合〉〈電気配線によるデータの伝送の場合〉2新しい技術は斬新な発想から生まれた当社は、大学で研究・開発された新しい技術をどんどん社会に提供していくという目的で起業しました。先端フォトニクスの光インターコネクション技術光電変換モジュール※回路や回線に不必要な信号が漏れること 光インターコネクションの実現には、技術的な問題とコストの問題の2つがあった。「今までの技術の延長線上ではできなかった」と取締役CTO 宋学良氏は語る。例えば、これまで電気と光の両方を扱う基板では必須とされていたミラーと集光レンズが、同社の基板上には存在しない。彼らは、まず「本当にミラーや集光レンズは必要なのか」と、自らに疑問を投げた。ミラーや集光レンズがなければ部品点数や組立工数が減少し小型化する。さらに部品の作動時に発する熱量が抑えられ、コスト削減とともに省電力化をも実現するのだ。3光のようにまっすぐつき進め! 光インターコネクションの開発途中、最も困難だったのは光軸合わせだ。この技術では、発光部品(あるいは受光部品)と光配線部材との位置合わせが不可欠で、10ミクロン(1mmの1000分の1)以上のズレも許されない。そこで小さなベンチャー企業には大きな決断だったが、高額な半導体生産装置を購入・改造して、同社独自の技術により光軸合わせの標準化に成功した。「この技術開発の成功の影には、いろいろな壁があり、挑戦して失敗して、また挑戦してきました」と宋氏は言う。同社の社是は「Go Ahead」。一歩でも前へ突き進むチャレンジ精神を胸に、これからも世界の光通信技術をリードしていくに違いない。光信号による通信ができる光配線フィルムが埋めこまれたプリント基板を開発電気信号を光信号に変換する装置を開発光配線基板電気信号電気信号光信号光信号先端フォトニクス開発範囲プリント基板光配線光電変換モジュール

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