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成功企業紹介

英弘精機株式会

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注目の太陽光発電/メガソーラーに欠かせない大切な1ピースを生み出す

英弘精機はこんな会社

環境にやさしく、国内総発電量に占める割合も徐々に増えている再生可能エネルギー。その中でも、最も注目を集める太陽光発電に不可欠な計測機器を開発しているのが英弘精機だ。

天気予報では、気象庁の「地上気象観測網」や「地域気象観測網(アメダス)」で得られたデータ等が使われているが、これらのシステムに採用されている日射計・日照計を製造しているのも英弘精機だ。

同社は、1927年計測機器を輸入する商社から始まったが、扱う機器の修理等の必要性から社内に技術部門を立ち上げ、開発・製造を行うようになった。その技術力を買われ、1950年代初めに、気象庁から第一次南極観測隊が使う日射計の製作を依頼された。数年後苦労の末に完成された全天日射計は、気象官署にも順次導入され、その後の事業に大きな影響を与えた。

日本では2012年から太陽光発電の全量買取制度がスタートし、いわゆる「メガソーラー」事業の計画が次々と打ち出されている。こうした状況を踏まえ、同社がいま新規事業として取り組んでいるのが太陽光発電のモニタリングシステムだ。このモニタリングシステムは、発電量・日射量などのデータを収集し、設置された太陽電池パネルが本来の性能を出しているかを遠隔監視していくもの。発電量は日射量によって変動するので、期待される発電量を正確に求めるノウハウが技術のひとつだ。

同社は自らも、茨城県阿見町に出力約700kWの太陽光発電施設を建設。そこで得られたノウハウもフィードバックして、太陽電池性能評価事業、モニタリング事業の拡大を図っている。

技術Tips-日射計はどうやって、日射を計測しているのか

全天日射計では、黒色塗装された受光面(温接点)とボディ等に配置した熱的基準点(冷接点)に熱電堆を配し、温接点と冷接点の温度差を熱起電力として出力するもの。

このように聞くと単純な機器をイメージするかも知れないが、全天候下で連続測定に耐えうる様々な機能と堅牢さを重ね持った精密機器だ。

日射は「直達日射」「散乱日射」及び「全天日射」の3つに分別される。直達日射は、太陽の光球から直接地上に到達した日射であり、太陽追尾装置を搭載した直達日射計で測定される。散乱日射は、太陽から降り注いだ直達日射が大気中の空気分子やエアロゾル等によって多重散乱した結果として地上に到達した日射であり、直達光を遮断するための遮蔽ボール等を配置した全天日射計で測定される。全天日射は直達日射と散乱日射の総和であり、全天日射計で測定される。

日射観測分野では、アジアではすでに高いシュアをもっている同社だが、これで満足していない。全世界で通用する製品を作りたいと考え、欧米の子会社と共同研究を行い、次世代の日射計を開発中である。

技術Tips – 太陽光から電気が生まれる理由

火力発電と原子力発電は蒸気を使って、水力発電は高いところから落ちる水の力で、風力発電は風車によって、タービンを回すことで電力を生む。一方、太陽光発電はタービンを回さずに電力を生み出している。どうやって太陽光から電気が生まれているのだろうか。

その秘密は、物質の中に含まれている電子の動きにある。太陽光が当たると、物質の中にある“電子”が太陽光エネルギーを受け取って活性化して動き出し、電力として利用できるようになるのだ。

ビジネスTips―再生可能エネルギー

再生可能エネルギーとは自然現象の中で更新されるエネルギーで、一般的には太陽光や水力、風力、波力,潮力、地熱、バイオマスなどが該当する。

資源エネルギー庁によると、日本で再生可能エネルギーによって発電された電力量は2012年時点で1.6%(8.4%の水力を除く)。水力含めて2010年1100億kWhだった発電量を2030年までに3000億kWhに(水力抜きでは250億kWhだった発電量を1900億kWhに)するという目標が掲げられている。それだけ急成長させるためには、大規模なメガソーラーの建設などが盛んになると見込まれており、再生可能エネルギー関連の分野は、ビジネスとしても非常に有望視されているところだ。

会社Tips – 若手の力に期待して継続的に定期採用。育成にも注力

英弘精機は今後、海外への輸出にも力を入れていきたいと考えている。2008年にはオランダにヨーロッパ支社を設立。オランダの技術者とは英語でやり取りするため、営業担当の社員よりもむしろ技術担当の社員の方が、業務の中で英語を使う頻度が高いのだとか。

海外で通用する製品を開発していくため、太陽光発電に関する専門知識のある研究者や、世界を相手にしてもひるまない伸び代のある若手社員を継続的に採用中だ。

採用した社員は1年かけて各部署を経験させて教育する。英語についても社内で講座を開き、社員が業務後に学べるように環境を整えている。技術関係の資格についても電気関連の資格取得を促すなど、積極的に支援。今後も若手社員の採用・教育には注力していく方針だ。