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成功企業紹介

株式会社タニタ

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「世界初」「世界一」を生み出してきた“健康計測機器メーカー”、次は“健康総合企業”を目指す

タニタはこんな会社

レシピ本がベストセラーになって映画化、丸の内に開業した店舗には行列ができるなど「タニタ食堂」の大ヒットで日本中にその名前が知られるようになったタニタ。そんな同社の本業は、健康計測機器の製造・販売。「世界初」の体脂肪計付ヘルスメーター、「世界初」の内臓脂肪チェック付き体脂肪計、「世界最薄」の体組成計、「世界初」の電子尿糖計など、健康計測機器の分野で数々の「世界初」「世界一」を生み出してきた。

「世界初」「世界一」を生み出す原動力になったのは、「面白いものを作るのが好き」という社内の文化。大企業が作っていない商品をいち早く手掛けることで、新たな市場を創り出してきた。

今も「健康をはかる」から「健康をつくる」へと歩みを進め、1日の総消費カロリーなどをはかる活動量計「カロリズム」や、睡眠の状態を計測する睡眠計「スリープスキャン」、電子尿糖計といった機器、体重や体脂肪率などの健康情報をWebに送って健康管理に役立てる「からだカルテ」という会員制のインターネットサービスなど、「健康をつくる」ための新商品・サービスを続々と世に送り出している。

技術Tips – 脂肪と筋肉、身体の組成をどうはかるか

タニタの体組成計は、身体にごく微量の電気を流して、電気の通りにくさを計測することで筋肉量や体脂肪率を推定している。

筋肉と脂肪とで組成する物質が異なっているため、筋肉は電気が流れやすく、脂肪は電気が流れにくい。詳しく言うと、それは筋肉の体液中には脂肪よりも電解質が多く含まれているからだ。

電解質とは、液体に解けると陽イオンと陰イオンに電離する物質のこと。電解質が含まれる液体に電圧をかけると、陽イオンが陰極に、陰イオンが陽極に向かって流れるため、電流が生まれることになる。イオン量が多いほど電気が流れやすい、というわけだ。

とはいえ、電気の通りにくさが計測できても、そのデータだけでは筋肉・脂肪の量が直接分かるわけではない。タニタの体組成計は、DXA法(二重X線吸収法)という2種類のX線を用いて体組成を計測したデータを基にし、「DXA法でこれだけの体脂肪率だった人は、これくらいの電気の通りにくさだった」と照らし合わせることで、体脂肪率・筋肉量を推算する仕組みになっている。

会社Tips – タニタ食堂のビジネス展開

社員の健康維持・増進を目的として1999年に設けられた社員食堂。500kcal前後と低カロリーで栄養バランスの取れたメニューがテレビ番組などで取り上げられて話題になり、2010年にはレシピ本『体脂肪計タニタの社員食堂 ~500kcalのまんぷく定食~』が出版され、シリーズ累計500万部を超えるベストセラーとなった。レシピ本の人気を受け、2012年には丸の内に社外の人も利用できる「丸の内タニタ食堂」を開店。2013年にはレシピ本の内容などを元にした映画『体脂肪計タニタの社員食堂』が制作・上映された。

こうした取り組みは、マーケティングの面からも高く評価され、2012年には日本マーケティング協会による「第4回日本マーケティング大賞」を受賞した。

同社では過去最高で300億円だった売上高を今後1000億円まで増やそうという目標を掲げており、健康計測機器の事業だけにこだわらず、健康をテーマとした新規事業を意欲的に展開していこうと考えている。

会社Tips – 挑戦を求める評価制度、多様性を認める新制度も導入

タニタの人事評価は、前年とまったく同じことをやっていると9割の給与しかもらえない制度。会社としては業界最高水準の給与を目指す一方、新しいことに挑戦して前年よりも成果を出さない限り、給与は増えない仕組みになっている。

また、中堅以上には「会社のために働いて給与を増やしたい」と希望する社員が多いが、若手には仕事以外のことも大切にしたい社員が多いことに注目。給与が8割になる代わりに、2割分の時間を自分の好きなように使える新制度を導入した。給与を減らした2割分、勤務時間を短くすることも、自分の好きな商品・技術の研究開発に当てることも可能。会社で働くこと以外のところに生きがいを見出している社員にも働きやすく、多様性を認める職場にしようと努めている。

会社Tips – 社長自らが新しいことに挑戦

新しいことに挑戦する文化をより根付かせるため、人事評価を変更するだけでなく、社長自らが新しいことに挑戦することで、社内の意識を変えようとしている。

例えば、動画サイト「ニコニコ動画」に企業としては初めて公式チャンネルを立ち上げ、社長自らがユーザーからのコメントに答える動画や踊ってみた動画を掲載した。

社長に続けとばかりに、社員の中からも新しいことに挑戦する社員が次々と登場してきている。同社が運用するTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアのアカウント/ページは、どちらも社員が自主的に始めたもの。会社公認で始めた取り組みではなかったが、運用実績が先にできて「こういういい反応があったから、これを公式にしてください」と社員からの報告があったため、そのアカウント/ページを会社公認のものとした。そうした自由さ、挑戦する姿勢が認められる社風なのだ。