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大和合金株式会社・三芳合金工業株式会社

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難しい課題にも果敢に挑戦。F1、航空機などを支える100種類以上の特殊な銅合金を開発・製造

大和合金・三芳合金工業はこんな会社

ビルを建てるなら頑丈な鉄鋼、水道には腐食に強いステンレス、飲料缶を作るには軽くて加工しやすいアルミ――といったように、私たちの身の回りにはさまざまな金属が使われている。ある金属に別の金属を混ぜて「合金」にしてから使うことも多い。さびやすい鉄でもクロムを混ぜるとさびにくいステンレスになるように、混ぜ合わせることで別の性質が現れることもある。

そうした合金の中でも、特殊銅合金に特化して作り続けているのが大和合金・三芳合金工業だ。両社が作る特殊銅合金は、半導体、自動車製造に欠かせない溶接用の電極材、プラスチック部品を形作るための精密鋳造金型、国際通信をやり取りするための海底ケーブル、電車のモーター、船舶のスクリュー、着陸時に航空機が受ける衝撃を吸収するランディングギアの部品などに使用されている。

両社は「難しい仕事でも、顧客から相談されたら断らない」ことが基本方針。100点満点の合金を生み出せる確信がなく、開発に成功したとしても注文がそれほど見込めない仕事であっても、果敢に挑戦を続けてきた。その結果、顧客からは「困ったら大和合金・三芳合金工業に相談すれば、何とか形にしてくれる」と頼りにされるようになり、新たな合金を開発するノウハウを社内に蓄積。これまでに多数の新たな合金を作り出し、現在は100種類以上の特殊銅合金を顧客に向けて提供している。

技術Tips – 同じ銅でも金属の混ぜ方次第で異なる性質

銅合金には熱や電気の伝導率が高い、摩耗・腐食に強い、比較的加工しやすく硬度も高い、磁気を帯びないといった特徴がある。そんな銅合金でも、金属の配合次第で異なる性質を示すようになる。例えば、大和合金・三芳合金工業では次のような銅合金を製造している。

◆クロム銅(Cu-Cr:銅・クロム・ジルコニウムの合金)

熱・電気の電導率に優れる。主な用途は溶接機用電極、電気機械用接触子片、整流子片・コネクターなど。

引っ張り強度伸び硬度導電率
≧ 380MPa≧ 15%≧ HRB 65≧ 75%IACS
◆アルミニウム青銅(Cu-Al-Mn-Fe-Ni:銅・アルミ・マンガン・鉄・ニッケルの合金)

外部からの引っ張り・圧縮・せん断などの力に対して強い。シャフト、ボルト、ナット、バネ類、各種ギアなどの機械関係で主に使われる。

引っ張り強度伸び硬度導電率
≧ 685MPa≧ 15%≧ HBW 170
◆コルソン合金(Cu-Ni-Si-Cr-Sn:銅・ニッケル・シリコン・クロム・錫の合金)

強度と導電率のバランスがいい。後述するNC合金の土台になっている。

引っ張り強度伸び硬度導電率
≧ 650MPa≧ 9%≧ HRB 90≧ 45%IACS
◆耐摩耗性アルミニウム青銅(Cu-Al-Mn-Fe-Si-Ni:銅・アルミ・マンガン・鉄・シリコン・ニッケルの合金)

硬度が非常に高く、摩耗に強い。成形ロールや仕上げロール、絞り加工用の金型などに利用される。

引っ張り強度伸び硬度導電率
≧ 650MPa≧ 0.2%≧ HBW 270
◆NC合金

http://www.yamatogokin.co.jp/?page_id=34

技術Tips – 有害物質に頼らずとも高性能な「NC合金」

さまざまな特殊銅合金を扱う中でも、大和合金・三芳合金工業にとって主力製品の1つになっているのが独自に開発したNC合金だ。

NC合金はベリリウム銅(Cu-Be)という合金に近い性質を持ち、引っ張り強さや導電率といった数値で比べてもベリリウム銅に勝るとも劣らない。ベリリウム銅は銅合金の中でも最高水準の硬度を誇り、曲げ応力にも優れることから、ばねの材料に適している。さらに導電性も高く非磁性で火花も出さないことから、発電所や油田プラントなどでも重宝され、実に幅広い場面で使われている。しかし酸化ベリリウムに対し、極稀にアレルギー症状を起こすということから、長らくベリリウム銅の代替となる合金の登場が待ち望まれてきた。

大和合金・三芳合金工業が開発したNC合金は、コルソン合金を基にしてベリリウム銅と同等の性能になるように、用途ごとにニッケルやシリコンの配合比率を調整する。F1マシンのエンジンやジェットコースターのブレーキなど、要求水準が非常に高い用途でも利用され、今後より多くの用途で使われるようになるのではないかと期待されている。

会社Tips – 家族的な雰囲気の職場。社員の家族・友人の入社も多い

そのように世界からも注目されるNC合金を生み出した大和合金・三芳合金工業の職場は、非常に家庭的な雰囲気。若手社員の親が社員食堂で料理を作り、会社で働く父親の背中を見て育った娘が、あるいは友人から「一緒に働こうよ」と誘われた若者が入社してくる。音楽大学の出身者や元大工など、まったくの未経験から入社してきた社員もいるが、家族のように温かく見守り、じっくりと技術を教えることで一人前に育ててきた。

そうした人と人とのつながりを大切にして、社員旅行などの社内イベントにも力を入れている。社員の家族や地域の人を招いてバーベキュー・音楽会を開いたときには、バーベキュー用の設備や音楽会用のステージなどを社員が手作り。とても人間味あふれる環境だ。

会社Tips – 「大和合金・三芳合金工業」と併記するのはなぜ?

ここまで「大和合金・三芳合金工業」と書いてきたが、両者の関係はグループ会社。三芳合金工業が特殊銅合金の素材を作り、大和合金が機械加工して形を整え、顧客企業に販売する。

今から50年以上前、大和合金の業務拡張に伴い三芳工場として「三芳合金工業」が設立された。当初は「大和合金の三芳工場」とするはずだったが、「地元の人に愛着を持ってもらいたい」「地域に貢献したい」との想いから別会社とし、グループ企業として活動していくことを決めた。

両社の間では社員の異動もある。三芳合金工業で製造を経験した社員が営業に、逆に大和合金で営業の仕事を覚えた若手が製造や生産管理に、といった具合に人材交流を進めている。お互いの仕事を経験させ、社員1人1人の適性を見極めながら、できるだけその社員に合った仕事を任せていきたいとの考えだ。