0.03mmの精度に
宿る匠の技
Small is Beautiful
——小さなばねに大きな価値を
小松ばね工業 株式会社
1941年創業の小松ばね工業は精密ばねの専門メーカー。とくに線径ミクロン単位という超精密ばねの品質は他の追随を許しません。小さなばねに宿る驚異の技術が幅広い用途を通じて、日本のものづくりのお家芸ともいうべき精密機械産業を力強く支えます。
機械は許しても、目が、指先がわずかな誤差を許さない
貴畑博之さん
製造部製造二課 課長
1978年入社
同社の主力商品であるトーションスプリングの開発製造グループを率いる貴畑博之さん。ばねづくり30年のキャリアを誇る名匠です。より細かく、より速く、より正確に。顧客のニーズが厳しくなればなるほど、経験に裏打ちされたその技術が冴え渡ります。
線径0.03mm。髪の毛より細い材料から成形される超精密ばねに、日々、匠の技の全てを注ぎ込む貴畑さんです。小さなばね1個でも、それは時計やカメラ、医療機器、検査機器等さまざまな精密製品の中枢を支える大切な部品。だから自らに妥協は許しません。
同社では年間約3000種のばねを生産します。個々の仕様に応じて金型をつくり、入念に機械を調整してから製造へ。「このセッティングのスキルが品質を左右する」と貴畑さん。測定器に表れない微妙な精度まで見極める熟練の技こそ、匠の匠たるゆえんです。
若い頃は「技術は見て盗む」のがあたりまえ。でも、ベテランになったいま、貴畑さんは積極的にスタッフを指導し、豊富な経験を惜しみなく伝えようとしています。体を動かし、真正面からものづくりにとりくむ——それが成長への近道だと貴畑さんはいいます。
ただいま成長中! ばねづくりの醍醐味に魅せられて
佐々木 優治さん
製造部製造一課
2008年入社
「大きな機械よりも内部でそれを動かしている小さな部品に関心があります」と語る入社2年目の佐々木優治さんは同社期待の新人です。親子ほど年の離れたベテラン技術者にもすすんで指導を仰ぎ、どん欲に技術を習得。めきめきと腕を上げています。
まだ20歳の佐々木さんですが、ばねづくりを志したのは何と中学生のときだといいます。念願かなって小松ばね工業に入社。業界有数の技術水準を誇る同社の現場で、1年目から完成品の製造をまかされました。しかしハードルは想像以上に高かったようです……
求められるのは技術や品質の確かさだけではありません。納期の厳しさとも格闘する中で、佐々木さんは少しずつ、でも着実に成長している自分に手ごたえを感じています。難しいからこそ、完成したときの喜びは大きい。ばねづくりの醍醐味を再認識する日々です。