あらゆる製品の表面加工を行う匠の世界
卓越した技術力で素材の持つ魅力を最大限に引き出す表面処理加工
株式会社日本エッチング
プラスチックや金属でできた、私たちの身の回りにある製品を見てみると、様々な表面をしているのがわかる。ツルツルとした質感のものや、つや消し加工のもの、細かい模様の凹凸が施されているもの。それらの表面は「シボ加工」と呼ばれる表面処理によって作られている。株式会社日本エッチングは「シボ加工」を専門にした企業である。非常に高度な技術を駆使した加工により、プラスチックや金属をはじめとしたあらゆる素材の魅力を最大限に引き出している。
プラスチックの需要拡大と共に海外展開するまでに成長
大山 晴通 常務取締役
常務取締役 大山 晴通 さん
大山常務は、日本エッチングの創業者である現社長の兄にあたる。創業当時から今まで日本エッチングを見守ってきた方である。
日本エッチングは昭和46年6月設立。2011年で創業40年を迎える。現在ではベトナムや中国、マレーシアなど海外にも工場を数多く持つという。創業からこれまでの経緯について大山常務にお話を伺った。
「創業当初は社員4名しかいない小さな会社でした。軽くて丈夫でコストもかからず大量に生産できることから、プラスチックの需要が高まってきて、様々な製品が金属からプラスチックへと代わってきた時期でした。エッチングに代表される『シボ加工』は、化粧と同じように、プラスチックの表面にも加工を施したら購買意欲が湧くのではないかということで始まった事業です。時代背景も良かったのか、急速に仕事が増えていきまして、一時期は現場がパンクするのではないかというくらい仕事が溢れかえっていましたね。」
長年培ってきた高度な技術力でお客様の要望に応える。
「シボ加工」とは、金型や金属平板に、様々な模様を刻み込む加工である。日本エッチングという社名にもなっている、「エッチング」(化学薬品の作用によって金属物の表面を浸食除去する加工)が代表的なものである。作業工程にはマスキング(表面処理加工を行う場合、部分的にテープなどを貼って処理する部分としない部分を区別する作業。)や模様付けなど熟練の技を伴う技術が必要とされる。
成形した際は樹脂の種類により仕上がりにさまざまな違いが出るため、樹脂の特性も理解し、考慮した処理を行わなければならないという。
「大手メーカーのプロダクトデザイナーと直接話をして決めていくことも多いです。デザイナーの方はこだわりがあって厳しい方が多いので、技術的に無理なことでも、実際にやってみて無理だと言わないと納得してくれないことも多いですね。無理難題を言われることも多いのですが、長く培ってきた技術力を駆使して、出来る限りお客様の要求には応えるようにしています。金型の加工はやり直しがきかない作業ですから、メーカーで誰がデザインの決定権を持っているかを掴まないといけないのがなかなか大変ですね。また、市場に出る前の製品の金型などもたくさん扱うので、機密保全は最も気をつけなくてはいけない所です。」
現在、日本エッチングは海外にも数多くの工場を展開し、現地の人材に技術を伝えて表面処理加工を行っているという。
「海外の工場では日本から赴任した社員が工場長を担当し、現地のスタッフに技術を伝達しています。専門的な技術ですが、根気があって、勘と慣れさえあれば海外の技術者でも全く問題なく技術を習得出来るものですよ。アジアの若者は真面目で器用な人が多いですから。」
最後に、大山常務からこれからの製造業の在り方についてメッセージを語っていただいた。
「今まで日本は勢いでどんどん成長してきたわけですが、今後、次の世代に日本の製造業を残していくためには、日本としてのものづくりのポリシーとは何なのかということを真剣に考えなくてはいけない時期に来ているのかなと痛切に感じますね。これからものづくりに携わろうという若者たちは、どんな仕事であっても仕事を好きになるということが大事なので、経験を積むことでどういう事が好きなのか気づくことが重要だと思いますよ。」
自分が関わった製品と出会った時は感動します。
入社2年目
内堀 奈々さん
入社2年目
内堀 奈々さん
入社2年目の内堀さんは主に総務を担当しているが、人手が足りない場合はイラストレーターを使用した作業も行っているという若手社員である。
内堀さんに仕事についてお話を伺った。
イラストレーターを扱って作業の仕事をする場合は残業になることもあり、大変だというが、先輩からしっかりと教えてもらったので作業に関して不安は無いという。
仕事をする上でのやりがいについては「自分が関わった様々な製品が世の中に出て、そういうもの出会った時の喜びは大きい」と語る。
難しい仕事であるほど達成感も大きく向上心も生まれてくる。
入社1年目
丹治 輝将 さん
入社1年目
丹治 輝将 さん
丹治さんは大学卒業後に新卒で入社したばかりの若き技術者。
エッチングの技術を修得するのには長い経験が必要だとされるが、先輩達から教えてもらいながら日々、一歩ずつ進んでいっているという。そんな丹治さんに、入社のきっかけや仕事のやりがいについてお話していただいた。
入社と同時に上京してきた丹治さん。入社当初は仕事ではもちろんのこと、私生活でも不安だらけだったという。入社一年目の新人であるが、現在はマスキングなどの精密作業も手掛けることがあるという。金型を取り扱う仕事は失敗が許されないのでプレッシャーが大きく大変だというが、その分達成感も大きなものだと、仕事について語っていただいた。