LED光を点から面に変換する技術を編み出し、世界中から注目を集める
株式会社オプトデザイン
含浸技術のパイオニア。世界で唯一、特殊含浸を手掛ける
株式会社プラセラム
伝統のめっき業界で世界初の技術を開発
京王電化工業株式会社
確かな技術で輝きを放つ最先端の看板屋
株式会社 昭和化成
鉄塊に宿る伝統の技術力
株式会社 畠山鐵工所
経験とノウハウが生み出す、創意工夫に満ちた展示ケース
細見工業 株式会社
卓越した技術力で素材の持つ魅力を最大限に引き出す表面処理加工
株式会社 日本エッチング
プラスチック加工を幅広くカバーするプロフェッショナル集団
株式会社 クボプラ
大田区という地域特性を活かした中小製造業ネットワークを構築
株式会社 タシロイーエル
天皇陛下もスタック電子のパワーを実感
スタック電子株式会社
研究開発は諦めない気持ちが肝心。『毎日1ミリの階段をのぼりなさい』
株式会社 鬼塚硝子
新しいモデルの試作などを叶える
株式会社 アスペクト
ウォータージェット加工専門メーカーとして不動の地位を築き、更に成長する。
株式会社 米山製作所
機能めっきのパイオニア
株式会社 大崎金属
一括一貫体制による「研究開発」・「試作」の総合支援企業
株式会社 菊池製作所
マルコムとして新たな製品分野の柱「バイオテクノロジー」
株式会社 マルコム
創業72年の伝統と技術が生む最新テクノロジー
株式会社 小野電機製作所
長い歴史で培った土台と斬新な発想力
株式会社 ヒキフネ
ベテランから若き匠が受け継ぐ技と心
千代田第一工業株式会社
音づくりのプロフェッショナル!
株式会社 ダイマジック
0.03mmの精度に宿る匠の技
小松ばね工業株式会社
70年の歴史を貫く、ものづくりのDNA
トックベアリング株式会社
最先端のめっき加工技術!
ヱビナ電化工業株式会社

含浸技術のパイオニア。世界で唯一、特殊含浸を手掛ける


技術者だった先代の後を継ぎ、会社の力を総合的に強化する2代目社長。TYC活動で社員一人一人が考える企業を目指す

株式会社プラセラム

火を近づけても燃えない木。そんな材料を開発し、市場化技術開発にも取り組んでいるのは株式会社プラセラムという会社だ。同社は「含浸」という技術を使い、表面処理、漏れ防止、錆止め、絶縁性・潤滑性・接着性の付加といった素材の機能性向上を実現しているという。含浸とはどのような技術なのだろうか。技術者として日本に含浸を広めてきた先代の後を継ぎ、会社の仕組み作りに励む2代目社長に話を聞いた。


薬液を染み込ませて元の素材を強化。含浸技術のトップ企業

「含浸」という技術がある。金属や布、木材などの材料に、さまざまな薬液を染み込ませて付加価値を付ける技術のことだ。


 例えば、自動車用エアコンにはコンプレッサーという部品があり、気体の圧縮を行う。ここで重要になるのは、コンプレッサー部品の機密性。気体が漏れるとエアコンで冷却と除湿ができなくなってしまう。ところが一般に材料としてアルミニウムを用いるコンプレッサー部品は、鋳造時に溶融されたアルミには水素ガスが含まれ、冷える時の収縮にもよって部品に小さな穴ができる。


そこで含浸技術の出番だ。穴埋めのため、アルミに特殊な薬液を染み込ませて穴の中で固体化させる。すると圧漏れがなくなって気密性が高まり、高品質の部品を作ることができるのだ。


代表取締役社長 桑 富栄さん

株式会社プラセラムは、そのような含浸技術を持つ企業。前述の金属に施す加工は含浸の中でも「汎用含浸」と呼ばれる技術だが、日本でも4~5社ほどしか本格的に手掛けていない。しかも、そのうちの2社は、プラセラムからのれん分けした会社のようなものだ。


プラセラム代表取締役の桑富栄氏は、そうなった背景について、次のように説明している。「当社の会長は、30歳前に受託研究開発の目的で、当時まだ珍しかったベンチャー企業を立ち上げました。


当初は特定のテーマに絞っていませんでしたが、元々米国から依頼された含浸技術に着目し、独自の含浸技術を開発しました。これをきっかけに、後に日本初の含浸技術に特化した会社になりました。汎用的な含浸技術を日本で広めた第一人者は会長です



「燃えない木」をはじめ、世界で唯一特殊含浸に取り組んできた成果

手前の釜で溶液に漬けて染み込ませ、
乾燥させていくまでの一連の工程を
スムーズに行えるよう装置が配置されている

含浸には汎用含浸のほかに、「特殊含浸」と呼ばれる分野もある。特殊含浸とは、木や布、あるいはハイテク素材といったさまざまな素材に、新しい機能を付加するために行う加工のことだ。


その特殊含浸を専門的に行っている企業は、世界的に見てもプラセラムだけ。さまざまな企業の研究開発部門から、「含浸でこんなことができないか」という問い合わせが必然的に同社へ集まってくる。


 特殊含浸の中で、今プラセラムが特に力を入れているのは「燃えない木」の市場化開発。不燃性の薬液を染み込ませることで、加熱しても炎を上げず炭化するよう加工した木材だ。炎を広げない材料として、建築業界などで採用が見込めるという。


 「会長がとにかく技術者なのです。興味を持って、『やりたい』と思ったら何でもやる。いろいろな技術に手を出していますから、いろいろなところから声が掛かるようになったのです。例えば、新幹線や半導体の世界でも特殊含浸の技術は使われています。そんなところが、ほかの企業ではなかなか獲れない当社の強みではないでしょうか」


 汎用含浸に加えて特殊含浸という技術にも挑戦することで、新たな顧客が見つかり、その縁から汎用含浸の受注が入るようになったこともある。また、研究開発や製造の技術面でも、特殊含浸から得られたノウハウが汎用含浸の技術を向上させた事例もある。そうした相乗効果を武器に自社の強みを伸ばしてきたのだ。


「含浸と言ったらプラセラム」というところまで持っていく

典型的な技術者だった先代の後を継いで代表取締役になった桑富栄氏は、技術一辺倒だった会社に組織力など、会社の力(会社力)の底上げに取り組んできた。例えば品質管理関連の規格であるISO9001を活用したり、部門を作ってそれぞれに会議体を設置するなど、足りない部分を強化する事に注力してきた。


「会社力アップのためには『チームワーク』『やる気』『コミュニケーション』の三つが重要だと考えまして、三つの頭文字を取って『TYC活動』という活動を始めました。


そのような取り組みを進めた結果、社員から『顧客をみんなで訪問する』という提案が出てくるようになりました。顧客を訪問することで友好関係を築けますし、自分の仕事がどう顧客に貢献しているかが分かるようになります。顧客との友好関係や自分の仕事の位置付けの認識という意味で素晴らしいアイデアでした。複数回実施されています。


今まではすべてトップダウンでしたが、これからは社員全員が考えるようにしていきたいのです。社員一人一人が考えるようになれば、すごい力になるはずですから」(桑氏)


 プラセラムを今後、どのように発展させていきたいのか。経営理念の1階層下で桑氏が目標として掲げるのは「工業含浸分野で世界一の役割を果たす」ことだ。


「どういう意味かというと、誰もが認めてくれる会社になるということです。


そのためには市場シェアが必要なのか、名声が必要なのか、メディアで取り上げられる回数が大事なのか、総合的なところなのか。いずれにせよ、含浸技術で可能なことにどんどん手を広げていって、世界中から『含浸と言ったらプラセラム』と言われるところまで持っていくのが目標ですね」(桑氏)

新規開発に積極的に取り組めるのが魅力

研究開発部 課長

杉山さん


――研究開発部での業務は、どのようなものでしょうか。

研究開発部では、新しい製品の開発を行っています。製品とは化学品の含浸剤です。元の材料に液状の含浸剤を染み込ませた後、内部で固定させます。すると元の素材と複合化され、さまざまな機能を付け加えられるのです。

含浸剤の研究開発は、お客様から問い合わせをいただいてから着手することが多くなっています。ホームページ上で受託開発・共同開発の業務について紹介していますので、さまざまなアイデアが寄せられています。

一般的な含浸は、アルミなどの鋳造部品の圧漏れを防ぐためものです。弊社の場合は他社とは違い、特殊な処理を施して絶縁性を付けたり、腐食を防止したり、強度をアップさせたり、といった依頼にも対応しています。他社に依頼しても解決せず、弊社に行き着いて「やっと頼める会社が見つかった」と喜んでいただけることがよくあります。


杉山さん

――貴社にしかできない仕事ということで、やりがいがありそうですね。

新規開発案件に、積極的に取り組めるのは魅力ですね。ただ、開発した案件が必ず製品になるわけではなく、そのうちの一部しか製品化されないのです。

それでも、そこでの経験は会社のノウハウとして蓄えられて、いろいろなご要望にお応えできるようになっていきます。会社の強みになっているのだと思います。


――今後の抱負についてお聞かせください。

今まで、外から情報を得ることが疎かになりがちでした。セミナーや展示会に積極的に参加して、新しいことを学ぶよう研究開発部のみんなに呼び掛けていきたいです。

材料を染み込ませる工程は情報が多く、みんなよく勉強しています。けれど、染み込ませる薬剤に関する知識が、全体的に不足していると感じています。樹脂系だとか無機系だとか、化学品の勉強を積極的にやってもらいたいなと思っています。

数多くの研究テーマの中から、自らのテーマを見つけて発信したい

研究開発部

福富さん


――プラセラムとは、どのように出会ったのでしょうか?

弊社のことは研究を通じて知りました。ある課題の中で、微粒子に樹脂を染み込ませる必要があり、普通の方法では難しかったのです。その方法をいろいろと調べていたら、プラセラムという会社が樹脂を染み込ませることを専門的にやっていることがわかりました。弊社のことを初めて知ったのはその時です。

研究では接着剤やシール剤を取り扱っていまして、微粒子と複合化させることで材料の機能性がどうなるか調べていました。複合化によって機能性が向上することを知り、非常に興味を持つようになりまして、就職活動先として弊社を検討するようになりました。


福富さん

――貴社のどんなところが特に魅力だったのでしょうか?

弊社は含浸を専門としていまして、どういう材料に何を染み込ませるのかという縛りが一切ありません。金属に限らず、繊維や鉱物などさまざまな分野で取り組めるところに非常に興味を持ちました。


――入社されてから、経験されてきた業務について教えてください。

最初は現場研修が3カ月ほどありまして、その後、研究開発を担当して5年目になります。研究開発業務をやりながら、検査とか品質管理とか、ほかの業務もいろいろとやっています。

今は木材の特殊含浸を担当しています。私が主にやっているのは含浸処理の工程の最適化で、今後は処理した木材の品質管理に力を入れていく予定です。


――これからどういう業務を経験していきたいですか?

弊社は、いろいろなことができる縛りのない会社だと感じています。研究テーマは数多くあります。そうした中から、自ら研究テーマを見つけて発信できるような知識・経験を身に付け、含浸による材料への機能付加について追求していきたいと思っています。